BizOh!AIの宮川です。
皆さん!ついにGoogleがSGE(生成AIによる検索体験)を日本で試験運用開始しました!
MicrosoftのBingにAI検索が導入されシェアを急増させたのは記憶に新しいかと思いますが、Google検索でもAIが使えるように!
久しぶりにわくわくする発表が来たのでテンション高めに早速利用してみました。
始め方から使い方まで解説しているので是非皆さんもGoogleでの生成AIによる検索体験を試してみてください。
Search Labs に登録してSGEを有効にする
まずは、グーグル検索の試験運用版に登録します。
Search Labs の利用資格があり、興味をお持ちの場合は、Labs アイコン から試験運用版にアクセスできます。Search Labs は、Google 検索のユーザーに開発初期段階の新しい検索体験をテストしてフィードバックを共有していただくためのプログラムです。AI を活用した検索体験を含む Labs の試験運用版は開発の初期段階にあり、Android スマートフォンと iPhone の Google アプリ、およびパソコンの Chrome でご利用いただけます。なお、品質および提供状況にばらつきがある場合があります。
Google検索ヘルプより
僕の環境ではLabs アイコン が表示されなかったので、
https://labs.google.com/search/
こちらのリンクから直接アクセスしました。
アクセスすると、
このような画面になりますので、SGEを有効にするにチェックを入れます。
利用規約に同意を求められるので同意します。
これでSGEが有効になりましたので、試しにこのまま例を見るのボタンを押してみます。
SGEを試してみる
例を見るのボタンを押すと「ピラティスとヨガの違いは」と検索された状態が表示されます。
BingのAIチャット検索をされたことのある方なら迷うことなく使用できそうな画面ですね。
チャット仕様は直感的に使えてわかりやすいです。
生成AIで生成されたテキストが表示されていますね。
右側には参考リンクが表示されています。
その下には「ピラティスとヨガ、どちらをするべきですか?」といった通常のGoogle検索のサジェストのようなものが表示されていますね。
こちらはオススメの質問のようなもので、クリックすると追加の質問としてチャットに送信されます。
もちろんこのオススメ質問以外にも下部の入力ボックスから自由に追加質問することが可能です。
通常の検索結果は?SEOは?
SGEが登場して一番戦々恐々としているのが世のSEO業者さんや、すでにSEOでポジションを獲得している企業さんでは無いでしょうか。
ご安心ください。
スクロールすると見慣れた通常の検索結果も表示されていますし、現状で見たところSEOの順位が反映されています。
ただあくまで現状、ですね。
記事後半でも解説していますが、チャットを繰り返すうちにどんどん検索結果も更新されています。
まだ発展途上、成長段階の技術なのでこれから大きく変わっていきそうです。
この変化の大きさやスピード感がAIが楽しい、、、!
オススメ質問から追加質問してみる
ではおすすめ質問をクリックして追加質問してみましょう。
新しくチャットでGoogleから返答が来ましたね。
チャット形式になっているので、ChatGPTのような対話はできるのか?
ちょっと意地悪な質問をして試してみました。
SGEは対話できるのか
結論から言うと、やはりGoogle。
検索エンジンとして重きを置いているようで対話は苦手。
苦手というと語弊がありますね。
対話ではなく、こちらの質問を元により最適な検索結果を導き出そうとしてくれています。
「その話は本当ですか?」という意地悪質問を投げたのですが、本当か否かという点で対話がすすむのではなく、より信憑性を増す回答を生成してくれました。
続いても意地悪質問。
文脈無視の追加質問してみる
「美味しいラーメン屋を教えてください。」
全く文脈に関係ない質問。Googleからの返答がこちら。
普通に検索結果の表示。
AI生成の文章もありません。
この質問は具体的な店舗情報を提示するのが最適な回答なので、優秀ですね。
ただの生成AIだったら捏造店舗や美味しいラーメンの定義について語り始めてたところです。
さすが検索エンジン。さすがGoogle。
意地悪質問は続きます。
検索結果からは導き出されない質問をしてみる
ここまでで気になるのは
- こちらの過去の質問は記憶した上で最新の回答をしているのか?
- 検索結果に出ないような内容も回答できるのか?
これを確認するために、
「ヨガとラーメンどちらがおすすめですか?」
と聞いてみます。
ラーメンは無視。
一応検索結果には食事に絡んだものも出ているので完全には無視されているわけではありませんが、この世にラーメンとヨガを比較した記事が存在しないので検索結果に持ってくることができていない感じですね。
上の画像で赤枠で囲っているところにご注目。
チャット形式ではありますが、あくまでも検索結果ありき。
検索→検索で出てきたサイトのいくつかから関連する情報を抽出→AIによって文章を要約
ざっくり言うとこのような流れで回答が生成されているようです。
数回のやりとりでもいろいろなことがわかりましたので今回の質問はこのくらいにしておきます。
気軽に使えるのでみなさんも是非使ってみてください!
今回の試験運用を試してみてわかったことまとめ
- SGEの生成の流れは、検索→抽出→要約
- 追加質問は対話ではなく追加検索
- この世に存在しない答えは回答しない
- 検索ソースに基づいた生成なので嘘や捏造は少ない
もちろんこれらも試験運用の現段階のものなので今後大きく変わる可能性があります。
あくまでも現状、ですが多くのことがわかりました。
通して思うのはやはりGoogleさすがだな、ということですね。
ユーザーの目的やGoogleが培って来たものを考えると、この形の生成AI活用が最適なんだろうなと思わせられます。
少なくとも今回の検証では僕が思う範囲で「これはこの方法じゃなくてこっちの方法のほうがいい!」と断言できるものはありませんでした。
まぁ、何か思ったとしても結局はGoogle様や大企業の作るルールや仕様に乗っていかなければいけないんですけどね…
我々にできるのはその動きを予測して、早く、正確に、思い切って乗ること、ですね。
SGEが今後AIやSEOに与える影響は?
では最後に今回日本語でのSGE試験運用を体験してSEOに与える影響について少し考察して締めたいと思います。
僕としては今すぐSGEがSEOを消滅させる!ということは無いかと思いました。
やはりGoogleが今まで培ってきた検索エンジンとしてのノウハウやポジション、作り上げてきた収益体制を簡単に手放すとは思いませんし、現実的に難しいと思います。
Googleが今回行ったのは検索エンジンからSGEへの切り替えではなく、検索エンジンをSGEによって強化・拡張したということです。
今のAI化の流れと同じですね。
AIも出始めは「AIが人間の仕事を奪う」と騒がれていましたが現実起きていることは「AIを使って人間の仕事を効率化・補強」しているということです。
ここで誤解しないで頂きたいのは、人間の仕事が奪われたり、SEOが無くなったりは未来のことですが、変化は今現在すでに起きているということです。
今回のSGEでもより自然言語的な検索をされるようになったので、従来のSEOのキーワード検索から自然言語検索への切り替わりは起きていますし、生成AIで解決できるようなコンテンツはユーザーの流入経路も大きく変わります。
今後は単純なキーワード選定ではなく、よりユーザーの目的意識や疑問、ニーズまで深掘りして検討する必要がありますし、アクセスにつながるか否かという点も非常に重要な点です。
特にアクセス数で考えると単純に解決する質問は生成AIの回答で十分になり、サイトにわざわざアクセスすることもありませんから、多くの人が検索する簡単な質問よりも検索数は少ないが詳細な解説を必要とする質問のほうが多くアクセスを集める、なんてことも十分に考えられます。
AIが生成する情報には信頼性が重要になるので、権威性が重要になったり…
あれ?専門性、網羅性、権威性って今までGoogleが大事って言ってきてたことですね…
…やはり我々はGoogleの手のひらで踊らされているだけの孫悟空なのかもしれません。